「ピーマン」と「パプリカ」。
サラダや炒め物に頻繁に使用される、定番の野菜ですね。
とてもよく似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか?
見た目通り、本来、「ピーマン」と「パプリカ」は仲間です。
どちらも、ナス科トウガラシ属に分類される植物です。
確かに、言われてみれば、トウガラシを大きくさせたような見た目ですよね。
「ピーマン」も「パプリカ」も、甘い(辛くない)大きめのトウガラシの一種なんです。
実は、この2つの野菜をはっきりと区別する、明確な定義はありません。
ただ、同じ仲間でも、「品種はちがう」のです。
それぞれの特徴を細かく見ていきましょう!
収穫のタイミングは?
・「ピーマン」→ 成熟前
・「パプリカ」→ 成熟後
通常、ピーマンは、成熟する前の段階で収穫するので、「緑色」をしています。
そのタイミングで収穫せずに、成熟させていくと、「黄色」や「オレンジ色」、「赤色」へ変化していきます。
こういった、赤みを帯びた、成熟したピーマンは、「カラーピーマン」と呼ばれ、販売もされています。
ただし、「品種」が違うため、「カラーピーマン」のことを「パプリカ」と呼ぶわけではないんですね。
一方、パプリカは、完熟してから収穫するので、カラフルな色をしています。
パプリカも、成熟前の段階では、「緑色」をしています。
ただし、いわゆる「ピーマン」とは呼ばれません。
品種の違いって、少しややこしいですね。
いつごろから食べられてるの?
・「ピーマン」→ 戦後
・「パプリカ」→ 1993年以降
ピーマンは、熱帯アメリカ原産の野菜で、日本の一般家庭に広まったのは、戦後のことだと言われています。
一方、パプリカは、1993年に輸入が解禁され、日本に流通しました。
今でこそ、ピーマンもパプリカも、当たり前のように見かけますが、
「パプリカは最近できた、新しい野菜だ」と感じる方も、少なくないのではないでしょうか?
形や果肉の厚さも違う?
・「ピーマン」→ 細長い形。全体的に小さく、果肉は薄め。
・「パプリカ」→ ふっくらとしたベル型。全体的に大きく、果肉は厚め。
言われてみれば、確かにそんな感じがしますね!
パプリカのほうが肉厚なので、生で食べるのに、より向いているかもしれません。
ちなみに、ピーマンとパプリカのちょうど中間のような形をした、「ジャンボピーマン」というものも存在するらしいですよ。
味の違いは?
・「ピーマン」→ 苦みがある。青臭さもあり。
・「パプリカ」→ 苦みが少なく、甘め。
パプリカは、完熟後に収穫しているので、苦みが少ないんですね!
「ピーマンは嫌いだけど、パプリカなら平気!」という方も多いです。
パプリカは、「ピーマンの独特な苦み」が苦手なお子さんにも、オススメしたい野菜ですね!
栄養に違いはあるの?
・「ピーマン」→ ビタミンC、カロテン、ピラジンという栄養素を含む。
・「パプリカ」→ ピーマンの約2倍のビタミンC、約7倍のカロテンを含む。
これは驚きですよね!
パプリカの方が栄養豊富で、ピーマンの数倍のビタミンCやカロテンを含んでいるんです。
ちなみに、ビタミンCの含有量は、緑→黄→オレンジ→赤の順で高くなっていきます。
より甘みがあり、食べやすく、さらに栄養も豊富なパプリカは、
ピーマンが苦手な方々に、ぜひ食べてもらいたいですね!
また、ピーマンやパプリカに含まれるビタミンは、「熱しても壊れにくい」性質をもっているので、
調理の際に加熱しても、しっかりと栄養を摂取できますよ!
全体の栄養で言えば、パプリカに劣りますが、
ピーマンにも、「ピラジン」という成分が豊富に含まれています。
ピラジンは、ピーマンのあの「青臭さ」の元になっている成分で、
「血液をサラサラにし、高血圧や動脈硬化を防ぐ」働きがあります。
まとめ
いかがでしたか?
以上が、「ピーマン」と「パプリカ」の違いです。
味の好みは人それぞれですが、やはり甘さのある「パプリカ」が人気でしょうか?
栄養面に関しては、「パプリカ」に軍配が上がります。
皆さんが、当記事を参考にされ、
健康的な生活を送られることを願っております。