皆さん、こんにちは!
当記事では、「どうして人間の背中は丸まってしまうのか」に焦点を当てながら、猫背の原因について解説していきます。
背中が丸まってしまう6つの理由を頭に入れたうえで、正しい姿勢を維持することの大切さを再確認していただけたら幸いです。
専門的な内容も含みますが、できるだけ簡単にまとめました!
また、姿勢に関する基本的な情報に関しては、【姿勢と健康の基本】シリーズをぜひご参照ください。
⇒姿勢を正しくしたい人が、最初に頭に入れておきたいこと:【姿勢と健康の基本①】
⇒理想的な姿勢とは?姿勢に関する基本的な考え方:【姿勢と健康の基本③】
皆さんが、姿勢と健康に少しでも興味をもち、
正しい姿勢を身につけ、たくさんの悩みを解決し、健康的な生活を送っていただけたら嬉しいです!
姿勢のリセットについて
どんなに姿勢が良い人でも、
24時間365日、全く背中を丸めずに生活することは不可能です。
だからこそ、「姿勢のリセット」が大切です!
「悪くなってしまっている姿勢を、正しい姿勢に直す」
これを繰り返すことで、理想的な姿勢を維持できるようになっていきます。
※理想的な姿勢とは?姿勢に関する基本的な考え方:【姿勢と健康の基本③】
1日中、姿勢のリセットをしないということは、
1日中、歯を磨かないようなものです。
これからご説明する6つの理由により、人間の体は、背中が丸まりやすくできています。
だからこそ、良い姿勢を常に意識しなければなりません!
背中が丸まる6つの理由
①「手元の作業」は下を向かないとできないため
試しに、下を向かないとできないことを思い浮かべてみましょう。
・デスクワーク全般
:字を書く、ノートブックパソコン、ハンコ、電卓、書類を読む等
・家事全般
:料理、トイレやお風呂や床の掃除、アイロン、裁縫等
・趣味全般
:ゲーム、ものづくり、読書等
・スマホ、タブレット、携帯電話
どうでしょうか?
他にもたくさんありますね。
現代において、人の生活は、下を向かなければできないことで溢れています。
これは、目が体の最上部に近く、前に位置している以上、避けられません。
スマホを、自分の目線の高さまで上げて、使用することも、
背中や首や頭をいっさい動かさずに、目だけ下に向けて、使用することも、
なかなかできることではありませんよね。
(できればこのような使用法が望ましいのですが、、、)
②腕が前に来ると、体の構造上、背中が丸まりやすくなるため
手元の作業は、「前方」で行いますね。
すると、「腕」を前に伸ばします。
そのため、「肩」が前に来やすくなります。
よって、背中が丸まりやすくなるのです。
では、逆に、
日常生活で、腕や手を「後ろ」に回す動作を思い浮かべてみてください。
・お風呂で体を洗う
・服を着る
・リュックを背負う
・髪を結ぶ
などでしょうか?
もちろん他にもあるでしょうが、もっと挙げてくださいと言われたら、けっこう難しくありませんか?
人間の体の構造上、
前方で行う作業 > 後方で行う作業
ということになります。
腕を前に伸ばしてばかりなわけですね!
肩が前に来れば、背中が丸まるのは必然です。
ポイントは、できるだけ「肩を引く」ことです!!
③「背中を丸める」機会に比べ、「背中を反らす」機会が圧倒的に少ないため
背中を丸める動作 > 背中を反らす動作
日常生活で、背中を反る動作を思い浮かべてみてください。
難しいですね。
実は、基本的には「ない」と言えます。
背中を丸めてばかりなのです。
「悪くなってしまっている姿勢を、正しい姿勢に直す」
つまり、「姿勢のリセット・埋め合わせ」が不十分だと、すぐにお分かりいただけると思います。
④「座った」ときの、「接地面積」を大きくするため
座ったときの骨盤の状態には、
「骨盤起立」と「骨盤猫背」という2つの状態があります。
この内容は、少し専門的で難しくなるので、今回は簡略化していますが、
ご興味がある方は、別の記事も併せてご覧くださいね!
「骨盤起立」とは
座ったときに、骨盤の形状が逆三角形のような状態になっていることです。
「∇」 ← こんなイメージですね。
これが、正しい本来の状態です。
逆三角形の下の頂点が、イスや床と接しているわけですね。
つまり、イスや床との接地面積は、「小さい」です。
逆三角形の下の頂点が、イスなどの面と接しているわけですから、当然グラグラします。
よって、「平衡感覚」が必要になります。
平衡感覚を使い、グラグラ微妙に揺れている状態を、
「様々な筋肉」を使い、支えているのです。
つまり、筋肉への負荷は「分散」されています。
「骨盤猫背」とは
座ったときに、骨盤の形状が三角形のような状態になっていることです。
「△」 ← こんなイメージです!
この場合、三角形の下の面(線)の部分が、イスや床と接しますね。
接地面積が「大きく」なるので、グラグラせず、「平衡感覚」はほとんど不要になります。
安定しているので、様々な筋肉を使うこともなく、
筋肉への負荷は、「固定」されます。(主に背筋)
「骨盤起立」と「骨盤猫背」についてザっと説明しましたが、少々分かりにくかったかと思います。
それぞれのメリットとデメリットをまとめたので、確認してみてください。
今回触れていない部分も含まれていますが、読み飛ばしていただいて大丈夫です。
骨盤起立
メリット
・脊椎の理想的なS字カーブを維持できる
・特定の筋肉に負荷をかけない
・基礎体力と平衡感覚を身につけられる
デメリット
・小さな面積に負荷が集中
・慣れていないと、維持するのが大変
骨盤猫背
メリット
・平衡感覚を使う必要がないので楽
デメリット
・必ず猫背になる
猫背は「座ったとき」にひどくなります!
「座り姿勢を制する者は姿勢を制す」と言っても過言ではありません!!
⑤背中を丸め続けていると、体がその状態を「正しいと認識する」ため
皆さんなら、お分かりいただけていると思います。
「クセ・習慣」になってしまう、ということですね。
これは猫背に限らず、体の「左右のゆがみ」にも言えることですが、
人は、習慣(クセ)になった状態を「楽」に感じてしまうのです!
⑥背中を丸め続けていると、背骨の関節が「反りにくく」なってしまうため
関節は、動かさないと「動かなくなります」。
骨折などをした経験のある方は、分かるかと思いますが、
ギプスで固定されていた後の関節は、なかなか動きにくいものです。
背骨も動かさないと、動かなくなるのです!
まとめ
いかがでしたか?
以上が、背中が丸まる6つの理由です。
ややこしい部分もあったかもしれませんが、なんとなくでもご理解いただけましたか?
ご説明した理由により、人間の背中はとても丸まりやすいです。
意識して、姿勢を正していかなければ、どんどん猫背が進んでいってしまいます。
「丸まった姿勢を、理想的な姿勢に戻してみる」、つまり、「姿勢のリセット」を1日に数回でもいいので、行ってみてくださいね!
この記事をご覧になった皆さんが、姿勢と健康に少しでも興味を持ち、
正しい姿勢を身につけ、たくさんの悩みが解決され、より健康的な生活を送られることを願っております。